野焼譚 Ⅲ
会期:2022年3月3日(木)から3月13日(日)
13時~19時 最終日は17時終了
月曜火曜水曜休廊
高山大(陶芸家) 田中小枝(陶芸家) 松山賢(美術家) 薬王寺太一(陶芸家)
窯を使わずに、野外で薪、藁や籾殻などで土の造形物を焼くことを野焼きといいます。 火炎や煤によって、野焼特有の景色が現れます。 縄文時代弥生時代は野焼きで土器や土偶が作られていました。
器・壺・彫刻・絵画などそれぞれ出自の違う作品が並びます。
高山 大 Dai Takayama
私は寺で生まれ育ちました。近年、自分のルーツと陶芸家として関わりを意識して作品制作をしています。
今展では、黒陶に拭き漆を施した経凾や香凾などを発表いたします。
【 略歴 】
1972 三重県津市に生まれる
1996 近藤髙弘氏に師事
2001 独立
2002 タンザニアに約1ヶ月間滞在して土器づくりを学ぶ
2019 真宗高田派光泉寺 住職継承
田中 小枝 Sae Tanaka
相変わらず、弥生土器に強い憧れを持ちながら、造形的、実用的に、やや工芸寄りの作品も増えて参りました。
古代の人々が、使う為に土器を作っていたのと同様に、今、私たちが使えるものを、作ってみようと思っています。
陶歴
1969三重県生まれ
1996倉本尚氏に師事
1999津市香良洲町に築窯
現在白山窯にて制作
松山 賢 Ken Matsuyama
日本画を描いていた学生のころ、どんな表現をするか考えていた。国立民族学博物館で民族芸術を知り、原始美術に興味を持つ。自分の生まれ育った岩手、東北の文化、風土、土着のものについて探ったりしたが、現在の自分に馴染みのあるものや、通じているものを見い出せなかった。美術というものを遡り、日本に限らず、先史美術を見るようになった。旧石器時代の洞窟壁画を模写したり、古代オリエント博物館や中近東文化センターに行き、地母神象、土偶、瘤牛形土器などを粘土でつくって焼くようになった。先史美術の一つとして縄文土器土偶も作るようになり、野焼きもした。
油彩画を描きはじめ、しばらく焼きものからは離れる。
子どものころ仮面ライダーカードを集めていた。怪人怪獣大百科という本もボロボロになるまで見ていた。白黒の粗い写真に、偽物のような現実感があった。長じて、ウルトラマンや怪獣のデザインをした成田亨の作品を見に行くようになった。怪人怪獣シリーズを作れないかと考えてみたが思いつかず、動物や甲虫が立ち上がって怪人怪獣化する「いきものカード」を描く。小学校に上がる前に、クワガタが背を向けて二本足で立ち上がって、子どもと同じ大きさになり、手をつないでいる絵を描いていたのを覚えていた。
縄文土器土偶の怪人怪獣を思いつき、油彩で描いた。かつて焼いた土器と土器怪人油彩画の展示を見にきた薬王寺さんに、野焼きに誘われ再び粘土で作りだした。
【略歴】
岩手県御所野遺跡近くで生まれる。湯舟沢遺跡すぐ横で育つ。
京都市立芸術大学大学院修了。横浜市三殿台遺跡そばに在住。
日本画制作を経て、土器、人形、彫刻をつくりはじめる。
最近はおもに油彩画、野焼きによる陶彫を制作、発表している
薬王寺 太一 Taichi Yakuouji
【 略 歴 】
東京生まれ 横須賀在住
大学では社会学専攻。在学中より土・火・水・木・気、 人の掌を介して創り出される陶作品の表現に魅力を感じ創作活動を始める。
山梨・佐賀の窯元での修行を経てイタリア・リトアニアなどで創作・個展・築窯・アートプロジェクト参加。
留学中、南仏ヴァロリスの博物館で出会ったメソアメリカの土器や土偶に大きな衝撃を受けて以来、よりプリミティブな表現・創造・生き方に傾倒。2018年よりYokosuka art valley HIRAKU(横須賀田浦)に移住。2020年穴窯築窯 。主に間伐材を燃料とした野焼きと穴窯焼成による焼締め作品の創作を中心に活動中。(2010年~)横浜市埋蔵文化財センター・三殿台遺跡において、土器修復・デジタル実測などの調査補助や考古サンプル制作・遺跡内土器作りワークショップの指導なども務める。
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