モルゲンロートでは、3月1日現在スケジュール通りの営業を予定しております。
学校や美術館も休校・休館になりました。
ご自身の体調や、弊ギャラリーへの経路等ご検討の上、 無理のない範囲でお越し頂けましたら幸いです。
「田中若葉 保木詩衣吏 -漆とガラスの二人展-」
会期:2020年3月4日(水)から3月15日(日)
月曜・火曜休廊
13時~19時 最終日17時まで
田中若葉(漆芸) 保木詩衣吏(ガラス)
金沢で活躍中の二人の作家の展示です。
作家プロフィール
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田中 若葉 Wakaba Tanaka
乾漆や轆轤の器、カトラリーに螺鈿や卵殻などの加飾を施した漆の作品を制作しています。 自然の風景や気象をモチーフに、漆の手ざわりや風合いを活かしたものづくりを心がけています。 私の実家はへんぴな田舎の山のなかにあり、小さいころから自然に囲まれた土地での日々を過ごしていました。 不便な面ももちろんありましたが、そのとき感じた植物の色や香り、雨風の音、空気のゆらぎなど日々の生活の中で得ることのできる何気ない体験が私の記憶の中に少しずつ蓄積されていきました。 それらの記憶やイメージを作品に落としこむことでその風景や景色を少しでも留めておくことができれば、という思いで制作をしています。
また漆というと艶やかでなめらかな表面、鏡面仕上げのイメージを持たれがちですが、どちらかというと艶を抑えたマットな面や和紙肌、あえてざらざらに見えるような仕上げで終えることが多いです。 そのような表現から自然の持つ柔らかさや温かみを感じて頂ければ幸いに思います。
保木 詩衣吏 Shieri CHoki
板ガラスに陶芸用釉薬で絵付けを施し、重ね合わせて焼成、研磨し、作品を制作。 ガラスに雪や落葉など朽ちていくものを”溜める””留める”ことをテーマとし、器をモチーフとした立体造形を行っている。 また上記テーマにて花器やテーブルウェアの制作を行う。
私はモチーフによく雪を使って表現します。岐阜県飛騨地方は冬になると多くの雪に包まれます。 新しく積もっては、静かに佇む白い雪は、大変うつくしく、そして春になるにつれて消えていく、とても儚いものです。 そういった故郷の風景の流れとともに、時の流れを感じ、留まらない美しさに尊さと共に切ないような感覚をおぼえます。 とけてゆく雪が少しの間地上に留まる 〝水溜り” 地上の器となって、消えゆくものに思いを馳せる時間を与えてくれる。
流れゆくものは留まらないと知りながら、この地上の器を眺めていたい。
矛盾した思いを抱きながら、矛盾した器をテーマに作品を制作しています。
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